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神話・伝説・神様にツッコミ ~旧約聖書 ノアの箱舟編~ 神様、失敗多すぎやしませんかね?

どうも、生きる伝説カメノセタロウです。あ、間違えました、生きる屍です、カメノセタロウです。「でんせつ」と「しかばね」は語感が似てるから言い間違えるのは仕方ないね。ね?

 

さて、私は神話なるものがすきです。神話、それはちょっぴりの歴史的事実の断片にありとあらゆる添加物を加え、かき混ぜ、最終的に「何が言いたいんやお前」状態になっておったりするものです。

そんなことで、今回は皆さんご存知の神話、と言ったら熱心なユダヤ教徒キリスト教徒に怒られるかもしれませんので、皆さんご存知の説話「ノアの箱舟」を紹介がてらツッコミを入れたいと思います。

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肉食動物のエサはどうしたのか気になるお話しでもありますね。

 

 多くの方の知っているノアの方舟のお話しはこんなものだと思います。

「神は激怒した。必ずや、かの暴虐な人間どもを滅ぼさなければならない、と決意した。しかし、そのような人間の中にあって、行いの正しい者がいた。名をノアと言った。神は、大洪水でこの世のものを全て滅ぼすことをノアに告げ、ノアの家族とすべての動物を一つがいづつを載せる船の建造を命じた。ノアは神の言葉に従い、船を作った。はたして、嵐が起こり、大洪水がやってきた。ノアは家族とすべての動物を一つがい船に乗せた。長い時間のあと、やがて、嵐が止み、ノアが放った鳥がオリーブの木の枝を咥えて帰ってきた。大洪水が終わったのだ。そして、人類は再生する fin」

既にツッコミたいところがあるかもしれませんが、落ち着いて落ち着いて。まだ早い。まあ、基本的には「ああ、こういう話だったわ」的な同意を得られる内容かと思いますこれ。では、実際には聖書にどのように書かれているのでしょうか、さあ、読んでみますよ。

 

ノア、誕生

レメクは百八十二歳になって、男の子を生み、「この子こそ、主が地をのろわれたため、骨折り働くわれわれを慰めるもの」と言って、その名をノアと名づけた。

旧約聖書 創世記 5・28-29』

 おっけー、落ち着け。まだ早い。まだツッコむ時間じゃない。もうちょっと焦らそう。ノアのお父さんは、182歳でノアを産みました。ちなみに、ノアのお父さんが死んだのは777歳の時です。日本の物も含め、世界各地の昔からの伝承では、人の寿命が異様に延びることはよくあることです、キニシナイキニシナイ。気になる人は、90%オフしておけば、「18歳で子を産んで、77歳で亡くなった」ってことで、まあ、違和感少なくなるかも。

さて、ノアの方舟の主人公、ノアさん。その幼少期はどんなお人だったのでしょうか?聖書にはどのように書いてあるかと言うと・・・。書いてない。はい、まったく書いてない。聖書に書かれているノアの年齢が分かる最初の事跡は子作りです。いきなり子作り。仕方ないね、この神様、人を増やすの大好きだからね!それと同じくらい人を殺すのも好きだけどね!

 

ノア五百歳になって、セム、ハム、ヤペテを生んだ。

旧約聖書 創世記 5・32』

はーい、騒がなーい。はい、皆さんが静かになるまで先生3分待ちました。もう、年齢の事にはツッコまないって約束したでしょ?それにさっきも言ったでしょ?年齢のことが気になる人は、年齢を90%オフしましょう。そうするとあら不思議、違和感が・・・50歳で子供を産むのは、医療の発達した現代でおいてもちょっと違和感ありますね、ハイ。

 この後の聖書の記述は、たいていの「絵本 ノアのはこぶね」的なものでは省かれている部分ですし、ツッコミどころも多いのですが、軽く触れるだけにしておきます。深く突っ込むと大火傷しかねないからね!

人が地のおもてにふえ始めて、娘たちが彼らに生れた時、神の子たちは人の娘たちの美しいのを見て、自分の好む者を妻にめとったそこで主は言われた、「わたしの霊はながく人の中にとどまらない。彼は肉にすぎないのだ。しかし、彼の年は百二十年であろう」。そのころ、またその後にも、地にネピリムがいた。これは神の子たちが人の娘たちのところにはいって、娘たちに産ませたものである。彼らは昔の勇士であり、有名な人々であった。

旧約聖書 創世記 6・1-4』

なんかー、神の子がいてー、それが人間の女性が美しいからって、欲情して子供まで作らせたらしいよ!的なことは置いといて、今回少し注目したいのは「そのころも、そのあとも地上にはネピリムって有名な人々がいた」ってとこ。この人たち、ノアの方舟に乗った描写がないのよね。神は「地上の生き物は方舟の乗ったやつ以外ぜーんぶ皆殺しにしてやったぜ!!」宣言をするのですけど、ネピリムも生き残ってんのよね、フシギダネ

神の子に関しては、なぁに?ってのは火傷しそうなので口をつぐんで次へ行きましょう。

 

ノアはどんな人だったのか。

これは、比較的多く語られております。

ノアさんは、正しい人だった!

ノアの系図は次のとおりである。ノアはその時代の人々の中で正しく、かつ全き人であった。ノアは神とともに歩んだ。

旧約聖書 創世記 6・9』

 

主はノアに言われた、「あなたと家族とはみな箱舟にはいりなさい。あなたがこの時代の人々の中で、わたしの前に正しい人であるとわたしは認めたからである。」

旧約聖書 創世記 7・1』

ほら、神様も認めてる。ノア(この時代限定で)正しい人!そして、ノア以外は正しくない人!

 

大いなる巻き添えの巻

聖書によれば、その時代は地上は乱れていて、悪いばかり。そこで神様は決意します。

主は地の上に人を造ったのを悔いて、心を痛め、「わたしが創造した人を地のおもてからぬぐい去ろう。人も獣も、這うものも、空の鳥までも。わたしは、これらを造ったことを悔いる」と言われた。『旧約聖書 創世記 6・6-7』

 

そこで神はノアに言われた、「わたしは、すべての人を絶やそうと決心した。彼らは地を暴虐で満たしたから、わたしは彼らを地とともに滅ぼそう。『旧約聖書 創世記 6・13』

 

わたしは地の上に洪水を送って、命の息のある肉なるものを、みな天の下から滅ぼし去る。地にあるものは、みな死に絶えるであろう。『旧約聖書 創世記 6・13』

おっけー、分かる。分かるよ。人が悪いことばかりしてたから、人を造ったのを後悔しちゃったんだね、神様。分かる、分かるよ。悪いことした人間には罰を与えないとね!「お前、全知全能なんやろ。なんでこんな中途半端なモン造って失敗しとんねん。全知全能やったらもっと完璧な仕事せえや、そもそもアダムとイブの時点でお前失敗しとるやんけ、なにいきなりリンゴ食われて怒っとんねん。作られた側やなくて作った側の責任やろこれ。」とか思わないよ、分かるよ神様、人間が悪いんだね、悪いことばかりするんだね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、なんで他の生物も皆殺しにするの?

ちょっと僕には理解が追い付かないんですけど、神様・・・。他の生物が悪いことしたなんて、一言も書いてないんですけど、神様。あまりにも酷い巻き添えじゃないですかね。結婚式にテロリストが一人出席していたから、結婚式場にミサイル打ち込んどいた的な酷さを感じるんですが神様。

 

方舟にはどんだけ収容できたのか

さて、人がみんな汚れてるから実行される、大洪水による地上の生命絶滅計画(魚は?魚は許されるの?ねえねえ)ですが、神様は恵みの深い人。せっかく作った命を絶滅させようだなんては思ってません。ノアの家族と、動物の雌雄を助けてくれます、やったね!(カタツムリなどの雌雄同体の生物や植物はどうなったの、ねえねえ)

さて、その船の大きさですが、聖書によれば

その造り方は次のとおりである。すなわち箱舟の長さは三百キュビト、幅は五十キュビト、高さは三十キュビトとし、箱舟に屋根を造り、上へ一キュビトにそれを仕上げ、また箱舟の戸口をその横に設けて、一階と二階と三階のある箱舟を造りなさい。『旧約聖書 創世記 6・15-16』

うんわからん。

 三階建てで、長さが150m程度、幅が20m程度、高さは15m程度らしいです。キリンでも5mくらいの身長なので、大丈夫ですね。クジラとかに関しては考えたら負け。

では、これらの動物を一種につきどれだけの数を船に乗せたのか。私たちが耳にした話では、「各種雄雌二匹のペアを載せた」ってのが多いかとは思いますが、聖書では。

すべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二つずつを箱舟に入れて、あなたと共にその命を保たせなさい。それらは雌とでなければならない。すなわち、鳥はその種類にしたがい獣はその種類にしたがい、また地のすべての這うものも、その種類にしたがって、それぞれ二つずつ、あなたのところに入れて、命を保たせなさい。『旧約聖書 創世記 6・19-20』

記憶力の勝利

あなたはすべての清い獣の中から雄と雌とを七つずつ取り、清くない獣の中から雄と雌とを二つずつ取り、また空の鳥の中から雄と雌とを七つずつ取って、その種類が全地のおもてに生き残るようにしなさい。『旧約聖書 創世記 7・2-3』

なんかさっきと言うてること微妙に違くない?

 ノアの方舟を扱った映画や小説絵本やお話しでは、たいてい先述の「二つずつ」説の方がとられておりますが、二つ目の説をとるならばゾウやキリンなどは清い動物に数えられたのか、清くない動物に数えられたのか気になるところですね。合理化するならば、一回目に清くない動物のことを言って、そのあとで清い動物に関しても告げたってことで矛盾なくすっきり!できるかな。

ちなみに、なぜ清い動物は多く載せて貰えたのだと思いますか?ちょっと考えてみてくださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は。

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洪水が終わった後、神様に捧げる生贄(いけにえ)とするため、でした!

正解した方いましたかね?拍手~!

 神様のここまでのおこない。

  • 人間悪いから一家族以外全部殺そ☆
  • 人間以外の生き物も巻き添え食うけどまあしゃーない☆
  • 清い動物は少し多めに生き残らせよ、ワシへの生贄にするために☆

さすが、全知全能。

 

長くなったのでその後の要約とツッコミどころ

さて、その後、雨が降り大洪水がやってきます。ドンブラコドンブラこと浮く方舟。やがて、雨がやみ、洪水も終わります。ノアは清い動物を焼き、神様への生贄とします。ここまでようやく生き残れたのに、清い動物ちゃん・・・。神様は生贄にご満悦、生き残った人類にこう約束します。

神様の約束☆

  • もう、地上の生命を洪水では滅ぼさない。洪水では
  • 人間が原因で、地上の生き物を滅ぼしたりしない!もう二度と!

やっぱり、人間が原因で他の生き物まで巻き添えにしたこと、少しは気にしてはったんかな・・・。

他にも「血の滴る生肉は食ったらあかんで、食うたら報復するで」「産め、増えろ、地に満ちろ」とか言うてたりします。どさくさに紛れて、血の滴るレア肉禁止されてます。

洪水が終わり、再び地上の生活に戻った人類、この時ノアさん600歳。はい、年齢のことを気にするの禁止。600歳のノアさんは働き者です、ブドウ畑を作ります、ワイン飲みながら。さすが神が認めた男、生き残るにふさわしいお人ですわ。少し酔ってしまったわ、と全裸でテントの中で寝てたら、その姿を三人の息子セムハムヤペテに見られてしまいます。600歳の裸体、どんなもんなんでしょうかね。ノア父さんご立腹。

彼は言った、「カナンはのろわれよ。彼はしもべのしもべとなって、その兄弟たちに仕える」。『旧約聖書 創世記 9・25』

え、カナンって誰?

 カナンとは、ハムの息子です。ノアの息子の一人がハム。そのハムの息子がカナン。

はい、一度整理しましょう。

  1. ノアさんは、三人の息子セム、ハム、ヤペテに裸を見られた。
  2. 裸を見られたことにノアさんは怒った。
  3. ノアさんは、自分の裸を見ていない無関係な孫カナンを呪って奴隷にした。

かなんなー。なにこれ。カナンとばっちりもええとこやん。さっき神様「もう人間のせいで他の生物まで滅ぼすんやめるわ」ってとばっちりせえへんゆうてたのにすぐこれやん。なんなの?カナン君泣いてるで?

ちなみに、聖書に書かれてある「裸を見た」ってのは、「レイプした」と言う意味だという説もあります。だとすると。

600歳のお父さんを見て欲情した息子、父をレイプする。怒ったお父さん、孫を呪う。

老人好き、ゲイ、レイプ、近親相姦。いろんな要素が混ざりすぎ、ツッコミが追い付かない。

 

カメノセタロウ的、ノアの方舟説話ツッコミ。

  • 100歳過ぎても子供は作れる!
  • 神の子が人間の娘と子作りしてるけど気にすんな。
  • とばっちりは世の定め、気にしたら負け。気にしなかったら奴隷か滅亡。
  • 魚とか水生生物のことは気付かないふり。
  • 清い動物は多く生き残らせてもらえるよ!生贄にするためにな!
  • 600歳のお父さん超セクシー。

 

 

 

 

さて、聖書によれば、人類は全てこのノアの一族の子孫になるわけです。船に乗った人間は8人でしたので、それからずいぶん増えましたね、人間。まあ、これだけ大きな罰を神様から与えられたら、もう人間は悪いことしないよね、メデタシメデタシ!ってところで今回の記事を終わらせたいと思います。

あ、余談ですが、このノアの方舟の次に書かれているお話しは、『バベルの塔』です。

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もう悲劇なんて起こらないはずさ!

 

 

メデタシメデタシ。カメノセタロウでした。