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椎名林檎『丸の内サディスティック』を紐解く回 ~1番のサビまで~

 あけましておめでとうございます、みつまりです
今年も残すところあと10ヶ月となりました、1年はあっという間ですね
そういう訳で2019年の初投稿です

さて、椎名林檎さんの楽曲

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『丸の内サディスティック

皆さんご存知でしょうか?

1998年に発売された『歌舞伎町の女王』というシングルのカップリング曲としてリリースされ
1999年に発売された『無罪モラトリアム』というアルバムに収録されている
シングル化されていないにもかかわらず知名度の高い名曲(wiki調べ)です

無罪モラトリアム』が出たのってもう20年も前なのかとビビりますが
当時の私は十代後半、振り返ってみれば音楽を一番よく聞いていた時代でもあり
私と一歳しか年の違わない椎名林檎さんが今以上に異彩を放ち爆売れしていた時代でもありました
ですので『無罪モラトリアム』も持っていましたし『丸の内サディスティック』もよく聞いていました

私のようにめちゃくちゃファンという訳ではなくても片足くらいは椎名林檎の世界観にごっそりハマっていた人って割と多いのではないでしょうか

この記事を開いてくださった多くの人がご存じの通り、椎名林檎さんの『丸の内サディスティック』は非常に難解な歌詞なのにオシャレ感が物凄い曲です
音楽に疎い私でさえも「あの曲には凄い技術とありあまるセンスが詰まっているのだろうな」という事が何となくわかります
というか椎名林檎さんの曲は私の知っている限り殆どがそういう曲です
逆に言うと「なんかめちゃくちゃ凄い」以外の事は全然分かりません

そこで掲題の件

今までめちゃくちゃ聞いてた割にはきちんと向き合ってこなかった
『丸の内サディスティック』を自分なりに紐解いていきたいと思います

歌詞全容

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解読 Aメロ?

報酬は入社後平行線で
東京は愛せど何もない

昔は一度就職すれば退職までその会社に在籍するのが当たり前、給与は1年ごとに昇給する年功序列制度が当たり前でしたが現代の日本におきましては実力重視の企業が増え年功序列なんて化石の制度、不景気も相まって能力の低い人はバサバサとリストラ或いは窓際

契約社員という雇用形態で働く人が圧倒的に増え何なら窓際族は淘汰され絶滅、どころか会社もろとも倒産全員解散

なんて事も珍しくありません

そういった事を踏まえた上で、先の一節に戻ります

 

報酬は入社後平行線で

なるほど、この曲に出てくる人は

「仕事に就いており、能力的にリストラされる程ヤバくはないけど報酬が上がる程有能でもない」
といった際どい経済力の人間である事が伺えます、実力ですぐに足切りされない部署というとどこにあたるのでしょうか・・・総合職?

 

リッケン620頂戴
原曲を聞くとここは
リッケンスェィックストゥーオーチョーダーイ
と聞こえるのでおそらく620は「ろっぴゃくにじゅう」ではなく「スェィックストゥーオー」なんだと思います

この一節は本当に意味が分からないんですけど、なんと直後に

19万も持って居ない 御茶の水

と続く事により1つの情景が浮かんできます

そう、この「ヤバくはないけどそんなに有能でもない人」は完全に御茶ノ水のぼったくりバーに引っかかっているのです、ヤバい人ではないけど状況的には結構ヤバイです

リッケンというのはそのぼったくりバーのマスターでしょうね、620というのは恐らくお酒の名前でしょう、オリジナルカクテルかな?

「リッケンさん、スェィックストゥーオーを1つチョーダーイ」と御茶ノ水の知らないバーでよくわからない酒を通ぶって注文し19万請求されたのでしょう、生中とかにしときゃぼったくりでも5万位で済んだのに・・・

解読 サビ1?

マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
毎晩絶頂に達して居るだけ
ラット1つを商売道具にしているさ
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ

通ぶってしまった有能でもない人材は、ふっかけられた19万を支払えず
マーシャルというクロロホルムのような薬品を嗅がされ売り飛ばされました、これは大変な事です

走って逃げるとか110番する等のリスク回避をせずにたった19万の為に人生を犠牲にするなんて、この人の真面目さはもはや感心を通り越して尊さすら感じます

売り飛ばされた真面目はなぜか鼠1匹を武器に商売をしろというミッションを与えられます
いくら不景気とは言え治安が良いとされている日本でこんな不条理があるでしょうか

ですがしかしこの人の取り柄は何と言っても真面目。

彼は不条理な事にも真摯に耐えうる忍耐力と鈍感力を兼ね備えていました。

毎晩絶頂に達して居るような妄想が見えてしまうほどつらい状況でも耐えに耐えて本気で鼠一匹で商売を始めたのです。

ここまでの一連の流れだけでも「鈍感力とは」「真面目とは」「鼠とは…?」という人生における大きなテーマの本質を音楽という形に昇華させ大衆に問うている事が想像できます、貴方ならどうしますか・・・どうなんですか・・・どういう意味ですか・・・と・・・

まあそんなこんなで踏んだり蹴ったりの微能真面目ですが、鼠ビジネスを侮るなかれ、意外とその筋の才能があったヤバめの真面目は裸一貫鼠一匹でまさかの大成功をおさめます

「この鼠1匹を10匹に増やす方法知りたくない?僕はこのビジネスで成功してお金持ちになった人をたくさん知ってる、なぜならその方法を教えてあげたのは僕だからね。もう人には教えないことにしてるんだけど君は才能がありそうだから、特別にその方法をたったの19万円で教えてあげるし君も19万で誰かに教えていいよ、その代わりにお金が入ったら端数の9万は僕に指導料として振り込んでね。」

などという巧みな話術であっという間に真面目は鼠御殿を建てました、鈍感力の底力
永遠に昇給しない総合職などさっさと退職

いつからか手放せなくなっていたマーシャルなんて安い薬物を使う事にも飽き
とうとう精度の高いベンジーに手を染めます
ところが真面目なアイツはベンジーの扱いに慣れていなかった為その場で卒倒するも、その場にいたヤク仲間がグレッチで殴ってくれたお陰で奇跡的に一命を取り留めます、グレッチというのは専門用語で言うところのスパナのようなもの、なのであった・・・

 

 

~続く~