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ノーインターネットノーライフ 言うてますけど

新春にホラーを。【知ってた。編】

平成最後の新春シャンソンなんとやら。カメノセタロウです。

新春と言えばホラーがお似合いですよね。ほら、新春を祝いつつホラー。日本の美しい伝統ですね。そういうことにしておきましょう。

今回の記事は、前回の記事の続編にあたります。もちろん、今回書かれた内容もフィクションです。何かこれ心当たりあるなって思った方がいらっしゃっても、絶対完全無欠にホラーなので偶然の一致です。あ、違ったフィクションなので偶然の一致です。そういった視点でご覧ください。もし万が一あり得ないことではありますが、何らかの心当たりのある方がいらっしゃいましたら、安全平和な穏便な手段でご連絡いただけましたら、即座に記事は削除いたしますので何卒よろしくお願いいたします。誠に恐れ入ります、よろしくお願いいたします。

 

あ、前回の記事はこれね。

cake-peropero.hatenablog.com


登場人物

1.ワタシ 男子大学生。バイトもせずに下宿住まいの自堕落な人間。年下の恋人と同棲をはじめた。

2.メソ  女子大学生。ワタシの恋人。ほんの少し嫉妬深く、ほんのちょっと束縛しいのロリ爆乳。ワタシとは違う大学の同じ学部に通っている。東北出身。昔の漫画「すごいよマサルさん」に出てくるメソってのに似た柔和な雰囲気をお持ち。

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時代背景

西暦2000年代。いわゆるガラケー全盛期の一歩手前。カメラ付き携帯電話がようやく普及し始めたころのお話し。連絡手段は主にメール。携帯でサイトなどを見ると、月数万円のパケット料金を請求されるなど恐ろしい時代。検索サイトのGoogleを知ってる人が少数派の時代でもありました。あ、ちなみにGoogleについては後日書こうとしている内容の伏せていない伏線です。

 

あらすじ

ほんのちょっぴり嫉妬深いメソワタシが大学で他の女性に会うことや、メールや電話等をすることに対して「メソがいるから必要ないよね?女の子は電話帳から全部消しちゃって☆大学でも女の人と話したらダメだよ☆」と真顔でおっしゃられるようなお方でした。加えて、ワタシの持つ男性機能の限度を超えて繰り返される性的酷使。メソの性的欲求や愛情表現で行われている様子ではないことに疑念を感じたワタシに対して放たれた言葉。「こうしておけば他の女の子とデキないでしょ☆」

 

偽装の開始

食品偽装問題が一時世間の大きな話題となりましたね。歴史ある高級なお店がそれでつぶれたりもしましたが、胸に手を当てて考えると、ワタシ達も日々日々自分を偽りこの人生を生きているのかもしれませんね。などと意味不明な供述をしながら当時を振り返りますと、メソの「他の女の子の連絡先を電話帳から消して☆」との要求に対してまず行ったのが、電話帳の登録名称偽装でございました。

これは、原因となることは違っても、多くの方がおこなったことがあると思うのですが、一応説明しておきますと。

山田花子」さんの連絡先を電話帳に登録する際、通常ならば「山田花子」と登録するところを、「山田花男」と、あたかも男性のような名前に改編し登録するものであります。これを、電話帳に登録されている女性の全てにおこないました。もちろん、既にメソが把握している人物については、元の登録データを残したまま、新たに男性名でも登録しておき、「この人消して☆」と言われた時には女性名の登録データの方のみを消す、と言った対策も行いました。

また、送信メールや受信メールについては、メール相手の性別が女性だと分かる内容の物については削除し、削除したのと同数の偽装メールを送受信しておきます。電話についても、女性相手の発信着信履歴は自然な範囲で消去し、消去したのと同数だけ後輩に発信着信をお願いしておりました。

さらに、携帯電話の4桁のパスワードも適時変更し、中を見られないように万全の対策を施しておりました。ちなみに、パスワードについては、ある歴史的な事件の発生年を普段使わない進数で表記したものに、日付と曜日から変数を与えて4桁表記にするというちょっと意味不明でありながら、ワタシ個人とは全く無関係な数字になるように致しておりました。つまり、ワタシの生年月日や名前や趣味からは算出できないパスワードにしておったのでございます。もちろん、ワタシが携帯電話にパスワードをかけることについては、いたく不満気なメソでありましたが、「親しき中にもプライバシーあり」とのワタシの言葉に納得してくれたのか、しばらくたつと何ら不満を見せなくなりました。

さ、では女の子と連絡を取ってお出かけするか!

 

他の女性との日常生活内での交流

そんなに偽装して、なんかやましいことをしているのではないか。と思われるかもしれませんが、とんでもございません。メソとお付き合いをさせていただいている間、何らやましいことは一切ありませんでした。ただ、常識の範囲内での交流すら、「なんで?メソがいるから他の女の人は必要ないよね☆」とことごとく潰されてしまうことへの対策として偽装を行っただけであります。

お世話になった後輩から「○○ちゃんと一緒に××へ行きたいから車だしてよ先輩」とか、そんな程度のことが何度かあっただけでございます。もちろん、そのようなメールも読んだ後はすぐに削除。まあ、それくらいは良いかと思いつつ「今度ちょっと知り合いと、××行ってくるわー」とメソへご報告。

メソ「もちろん、女の子はいないよね?」

ワタシ「アッ、ハイ。イルワケナイジャナイデスカー」

メソ「遅くなっちゃだめだよ?楽しんできてね☆」

ワタシ「モチロンダヨー!」

この時の、メソの汚れなき純真な人を信じ切った目、今も鮮明に覚えております。

ええ、この時、メソワタシが他の女性とお出かけをするということを、ご存じでありました。ご存じでありました。

 

また、性的疲労に耐えきれず、下宿先に帰りたくない日もありました。オウチ、コワイ。そんな時は後輩♂へメール。

ワタシ「今夜僕とトゥナイトしない?」

後輩♂「いいっすよー。うちの部屋来ます?部室に泊まります?」

ワタシ「部室で朝まで、君を離さない!」

メールをそそくさと削除し、メソへ電話。

ワタシ「ちょっと後輩がさー、分からんこと教えてくれってさー、ほんまあいつ困ったやっちゃでー。ちょい帰るの遅くなるかもやわ。飯は要らんでー」

メソ「女の子はいないよね?帰る時間分かったら教えてね☆」

ワタシ「もちろんおらんで!遅くなるようなら、部室にでも泊まるわー。また電話するでー。」

この時、既にメソは、ワタシが下宿先に戻らぬ意志であることをご存知でありました。ワタシから後輩に話を持ち掛けたことを、ご存じでありました。

それが判明したのは、メソとのお別れの時の事でした。

 

別れの時、告げられるネタ晴らし

やがて来た、メソとのお別れの時。人間的な器の小さなワタシには、とても相応しい相手では無かったのです。そんな中、ワタシはこう切り出しました。

「ごめん、メソ。できる限り君の要望には応えたかったのやけれど、メソの嫌がる女性とのお出かけも、君とお付き合いしている期間の中で、何度かしたことがある。大学の後輩とかと、やましいことは何もしていないけど、交友関係を壊したくないから、君を騙すようなことをしていた」

とかね、完全に自分の中にある後ろめたさを解消するための行動ですわねこれ。最後にパーっとネタ晴らし!的なつもりで言いましたよ、ワタシゃ。それに対するメソの反応は、簡潔至極でございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「知ってた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は?????はぁっ????????

嘘乙。嘘乙。知ってるわけないやん、知れるわけないやんお前。嫉妬深いお前がそんなん知ってたら、血走った目をして阻止に出るやろ。あとで知ったにしても、5時間正座コースやろお前!知ってるわけないやん、知れるわけないやん。俺がどんだけ対策したと思ってんねん。メールや着信履歴や、俺の完全無k

 

 

 

 

「○○さんとだよね?〇月頃。あ、〇△さんも一緒だったっけ」

 

 

おーけー、おーけー。落ち着け俺、冷静になれ俺。こ、こんな時は素数を数えるんだ。1、2、4、8、16…よし、冷静だ俺、パーフェクトだ、俺。よし、現状を認識しよう、部屋の中だから分からないけど、天気は晴れ。風は微風。よし、現状認識、よし。まだ戦える、まだここから戦える。いつもここから戦える。

 

「あっれー?もしかして○○さんと知り合いだったとk

 

 

 

 

「あと、△△さんと、◇月頃に二人で食事にも行ってたよね。私には男の後輩って言ってたけど」

 

 

母さん、僕、もう無理です。戦えません。

「なんで?なんで??何で知ってるの?」

早漏ワタシは、自分で考えもせず、すぐに答えを求める。少し言いよどむ顔をしたメソは、意を決したように、語りだした。

「携帯、見て」

はいはい、ワタシの携帯ね。ディスイズマイ携帯。それで?

「メールのとこ、見て」

メールねメール。はいはい、パスワード打ち込んでー、メール画面表示してーっと。

「『Eメール設定』のとこ」

携帯買った時にしか見ないとこやねここー、こんな時に何を見るんかねぇ。

「『自動転送』ってのあるでしょ?」

ふんふんふーん、あるねー、自動転送ねー、自動転s…んんん???え、なにこれナニコレ怖い怖い怖い怖い。なんか知らん変なアドレスが自動転送先に設定されてる。え、え、なにこれどうなってんのこれ!

 

 

 

 

「それ、私のサブ携帯のメールアドレス。貴方の携帯が受信したメール、全部自動的に私のところにも届いてたの」

 

 

 

ちょっと待って。理解が追い付かない。ファミコン並みの私の高性能な頭脳が悲鳴を上げている。マリオがブラザーズしちゃう!!自動転送?ナニソレ魔法?サブ携帯?ナニソレサブちゃん専用?貴方携帯一台しか持ってないじゃない!サブってなによ意味わかんないよ!

 

 

 

「正確に言うと、ピッチ(PHSのこと。当時はメジャーだった簡易版携帯電話)ね。家に置いてあるんだけど、ピッチに届いたメールを自動転送で私の携帯へ送ってるから、貴方に届いたメールは全部すぐに見れてたの。送信メールは見れないけど、受信メールでほとんどのことは分かってたよ」

 

 

 

いや、まだだ!まだ負けちゃいない。こんな事が現実にあるはずがない!冷静になれ、素数を数えて冷静になるんだ。素数とは1と自分以外では割り切れない数字!割り切れない今のこの私の思い、えーっと、1、2、サンマのしっぽゴリラの息子ー…よし、おそらく冷静だ。いける、まだいけるっ!相手の矛盾を突くんだ!意義ありっ!!!

 

 

「え、でも、おかしくない?パスワードもかけてたのに、なんでこんなことできるの?なんかの間違いでしょこれ。パスワードも途中で何回も変えてたし!!できっこないよ、こんなこと!!」

 

 

今考えると、このワタシの発言。突き付けられた現実を認められない、悲しい男の姿ですね。

 

 

メソは少し驚いたような顔をした後、少し首をかしげました。あら可愛い仕草。そして、なぜそんなことすら分からないのか、と少し憐れむような表情をして、こう言いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「10000回試せば良いじゃない」

 

 

 

 

 

あ、次回へ続きます。